プリンターは、多機能・省スペースのインクジェット複合機がおすすめ
複合機は、パソコン用プリンター、スキャナやコピー、FAXなどの機能を一つにした製品。単体でスキャナやプリンターとして利用できるほか、パソコンを介さずコピー機としても使えるものが多い。読み取った原稿をFAXで送信したり、PCファクスの機能を持ちプリントせずにドキュメントを送受信できるタイプの製品もある。それぞれを単体で買うより安く、スペースも節約できる。SOHOだけでなく、パーソナルユースとしてもベスト。ただ、弱点は、故障時に修理に出した場合、すべての機能が一時的に使えなくなること。また、複合機には、インクジェット方式の他にレーザープリント方式もあるが、パーソナルユースには、カラー印刷機能がついても本体価格の安いインクジェット方式のものが一般的。
選び方のポイント
■FAX機能を持つ複合機は、通常、ADF(オート・ドキュメント・フィーダ=自動原稿送り)が付く。大量の原稿を一度にスキャン、コピーするにも便利。給紙枚数を確認。自動両面印刷のものもある。
■印字ヘッドが機械本体についているタイプと、インクカートリッジについている一体型がある。機械本体についているタイプのほうが交換カートリッジは安いが、目詰まりなどのときは機械ごと修理に出さねばならない点が難。インクカートリッジについている一体型はヘッドが詰まっても、カートリッジを交換すればOK。
■給紙方式にも、いろいろなタイプがある。前面給紙式は省スペース型といえるが、印刷時に用紙を反転させるため、厚手の紙への印刷には不向き。
■印字速度やランニングコストも、チェックしておく。
■パソコンとの接続(インターフェイス)も一応確認。USB接続が一般的。
■パソコンのOSとの対応関係も確認。Windows XPのような一般的なものなら、ほとんど対応。
こんなところがチェックポイント
各社の製品は同じような価格帯であれば、一長一短というのがふつう。使う目的と買う動機によって、各社カタログの「仕様」のうち 必要なポイントを重点的にチェックしよう。
① ヘビーユーザー(大量の印刷やコピー、FAXなどをする人) ⇒給紙容量、印字速度、ADFの原稿セット可能枚数
② 省スペース派 ⇒ 外形寸法(サイズ)
③ 高画質を求める人(画像・写真などのスキャンや印刷が多い人) ⇒プリンター、スキャナの解像度
④ エコノミー派 ⇒本体価格とランニングコスト。特に、印刷コストが重点。
比較をするときの注意
■解像度や給紙方式・印字方式などはかなり客観的なデータだが、印字速度や印字コストは、各社で試験の方法やサンプルが違うのが普通なので、あくまで目安にとどめる。
■経済性を考えるとき、つい、本体価格にのみ注目しがちだが、使い続けるうえでは、実は、ランニングコストのほうが大きい。数回、インクカートリッジを交換すれば、本体価格を超えてしまうものもある。
■概して、ヘッド一体型でないカートリッジで独立タンク式のものがランニングコストは低いとされる。
インクのコスト
プリンターの新しいモデルが出るとき、それに対応するインクの実質単価が上がることもある。後継機種用のインクはほぼ同じ価格で、前のものより容量が大幅に減らされていたりすることがあるのだ。(機種を選ぶ際には、これも要注意ポイント。なぜなら、プリンターは、ランニングコストが高いのだから)。本体の価格は安くなる傾向になあるが、消耗品のインクのコストが結構高くつく傾向があるので、購入時にはインクの価格にも注意しよう。
主要メーカー
プリンターの主要メーカーは以下の通りです。各社の特徴を見てみましょう。
エプソン (EPSON)
キャノンとともに国内シェア9割を誇ります。「つよインク」を使用した、写真画質には定評があります。コンビニでもインクが入手できるのが便利です。
キャノン (CANON)
エプソンとともに国内シェア9割を誇ります。ボックスシルエットのPIXUSシリーズは、スタイリッシュな本体デザインがインテリアにこだわる人々の支持を集めています。
ヒューレット・パッカード (Hewlett-Packard)
シリコンバレー発祥の地、パロアルトの老舗で今や世界最大のコンピュータメーカーになりました。国内の複合機では一番長い歴史を持ちます。本体価格:やや安め。ランニングコスト:やや高め。
ブラザー工業 (Brother)
言わずと知れたミシンメーカーの老舗。薄型複合機MyMioシリーズが特に人気です。
レックスマーク (Lexmark)
プリンターメーカーとしては世界最大規模の会社です。1991年IBMのプリンター部門から独立して別会社になりました。本体価格:安め。ランニングコスト:高め。
スペック的に同じでもやはり得意不得意が各社プリンターにはつきもの。実際の店舗でプリントアウトされたサンプルをみて、好みの画質に一番近いプリンターを見つけましょう。
(以上:みうら・やまもと)