睡眠中は布団におまかせ!
最近は睡眠に関する情報も多く、時間の長短にかかわらず「いかに質のよい眠りを
得るか」が大切であると言われています。就寝前にはアロマ、照明、音楽やストレッチなど、あらゆるリラックス方法を実践する人もいるでしょう。では、寝て
いる間の環境は?というと、布団が大きな役割を果たしてくれます。
睡眠中、汗をかく量は一晩でおよそコップ一杯分(200cc)、夏はその2~3倍にもなるそ
うです。また、入眠時は体温が下がり、目覚める時、体温は上昇していくというリズムがあると
のこと。寝返りにも大事な役目があります。このような体の働きが自然にできるよう、寝
床の環境も整えましょう。
布団の素材と性質
詰めものは、それぞれ100%または、混合で使われています。
■ 羽毛(羽根):ダッ
ク、グースといった水鳥の羽毛のことを指します。軽くて保温性に優れ、吸湿性・放湿性にも富んでいます。ダウンとフェザーがあり、混合率や産地の違いがあ
りますが、羽毛の質は採取する時期によっても変わるなど、ダウン率や、産地だけから良し悪しを判断することは出来ないようです。基準のひとつに、日本羽毛
寝具製造業協同組合が定める品質表示ラベル(4段階)があります。
■ 羊毛:保温性、吸湿
性、放湿性があります。弾力性も備わり、敷き布団には最適です。
■ 合繊:ポリエステ
ル。保温性が高くて、軽く、ほこりが出にくいため衛生的です。吸湿性はありませんが羊毛や綿と混ぜて使用したり、防ダニ加工や速乾性を高める機能を持たせ
たり、種類もさまざまです。洗える布団の多くに使われています。
■ 綿:吸湿性に優れ、
保温性も高く、日本で古くから使われている自然の素材“木綿わた”です。放湿性は低いため、まめに干すことが必要です。
■ 真綿(まわた):蚕
の繭から伸ばして作られたもの。吸湿性、放湿性があり、保温性に優れています。静電気が起こりにくく、ほこりを寄せつけません。薄くて軽いのも特長です。
■ オーガニック:綿だ
けでなく羽毛、羊毛それぞれにオーガニックが存在します。肌にやさしく、あたたかさもひと味違います。"
布団の種類、組み合わせを工夫しましょう
布団選びのポイントは、保温性・吸湿性・放湿性が
上手く機能し、寝床内の温度・湿度を適正に保てることです。重さ・硬さなど好みに個人差はありますが、体に負担のないものを選びましょう。季節ごとに洋服
に置き換えて考えてみると、必要な布団がわかるのでは。
■ 掛け布団:
保温性はもちろん、体に沿うかどうかフィット感もポイントです。
■ 敷き布団:体を支え
る役割があり、柔らかすぎると腰が沈むなど体に負担がかかる場合があるので、いくらか硬めが良いようです。厚さも
考慮し、ベッドや床の固さを直に感じるものは避けましょう。中の芯に使われる素材によっても使用感は異なります。
■ その他の寝具類:
・毛布:羊毛、アクリル、綿などがあります。寒い季節の保温を高めるアイテムとして欠かせません。
・タオルケット:綿100%や合繊入りなど。よく汗を吸う、夏には欠かせない一枚。
・肌掛け布団:通常の布団より薄く、さわやかな使い心地。冬をのぞき、年間を通して使えます。
・マットレス:主にウレタン素材で、低反発・高反発の素材もあります。単独で使用のほか、敷布団の下に、ベッドマットレスや敷布団の上に使えるものなど、
いろいろな厚さがあります。
・ベッドパット(敷きパット):ベッドマットレス、敷布団やマットレスの上に敷く薄い寝具。夏の汗とりや、冬の保温に便利です。
・布団カバー/シーツ:素材や柄が豊富で、防ダニなどの機能も充実しています。通気性に優れたものを選びましょう。
お手入れ方法―快適さを保つ秘訣です
■ 布団を干す
布団を干す時間帯は、午前10時~午後2時頃までが最適です。表も裏もよく乾燥させ、取り込
む際は強くたたかず、表面のほこりは掃除機で吸いましょう。
[目安]
羊毛、合繊、綿:1週間に1~2回。綿布団は水分をよく吸うので、
時間をかけてしっかり干してください。羊毛は週1回程度で大丈夫です。
羽毛:2週間に1回。放湿性が高いため、両面で1~2時間程度で十
分です。日干しまたは風通しのよい、日陰で干します。長時間の直射日光は避け、日光があたる場合は羽毛が傷まないよう、カバーをかけたまま干してくださ
い。
真綿:2週間に1回。風通しのよい日陰に干し、直射日光は避けてください。さらりと乾いたら取り込んでよいでしょう。
※できれば毎朝、部屋の換気とともに布団を上げて風を通すことをおすすめします。外に干せない場合は、布団乾燥機を活用する方法もあります。
■ 布団を洗う・クリーニング
ダニ、アレルギー対策には丸洗いが効果的。衛
生的で寝心地もアップ。ただし、家庭で洗える布団以外は、信頼できるクリーニング店、専門業者に必ず相談してください。表
示も良く読み、詰めものが片寄る、機能性が落ちるなど取り返しのつかない事態は避けたいものです。真綿は洗えませんが、必要な場合はクリーニングに出すな
ど、業者に依頼しましょう。
■ 布団の打ち直し/リフォーム
羽毛布団、綿布団は打ち直し/リフォームができます。生地も変えれば新品同様。環境にも経済的にもうれしいシステムです。
(以
上:なおこ)